今回は山の上での外気圧補正について検討を加えました。
その結果、従来の空気の薄いところで高回転側が薄いという
状態から抜け出せましたが、今度はやや濃すぎる傾向です。
全体に中々修正は難しく、高地で合宿でもしないと困難かも。
又、最大の疑問は外気圧補正方式を吸気圧換算している
場合、補正が入っている量を確認することが出来ないと
いうことに尽きます。外気圧補正方式を吸気圧換算ではなく
外気圧補正マップそのものを使うようにするとTOP画面の外気
圧補正係数が表示されて作動していることが判るが、吸気圧
補正方式ではどの程度吸気圧補正を行なっているかを確認する
方法がなく補正方式の数式で計算して求めるしかないとの事。
相変わらず下記仕様ではエンジン始動後10秒間は動けません。
●基本パラメータ
・一気筒排気量:397cc
・インジェクタ噴射量:235cc/min(92後期純正)
・レブリミット回転数:8500rpm
・T-VIS回転数:4650rpm(使わないので適当で良い。但し、86後期ECU、又はそのAT車の場合は、T-VISソレノイドをエンジンW/Hに接続した方が良いようだ)
・アイドル燃料カット回転数:1800rpm
・ノーマル吸気圧なまし量:0.800
・アイドル吸気圧なまし量:0.500
・噴射時間なまし量:0.800
・点火時期なまし量:0.700
・吸気圧ピッチ:25mmHg
・サブボード使用フラグ:1(Freedomの内部のサブボード使用時は1、FC-03は全て1
*)
*注意* FC-03では「1」とするのが基本なのですが、FC-03のプログラムでは「サブボードフラグ」は見ていない(全て回路が付いているので)ので、どちらでも問題ありません。そのため、元々FC-01でサブボードが使用されてなかった車種については、FC-03でも0のままになっている場合があります(E&Eシステム 淺原)。
・水温補正吸気圧分:50mmHgから100mmHgなど、上側に対して単調増加であるように設定
・空燃比制御 フィードバック基本変化量(ノーマル):0.300→0.600(大き過ぎるとO2センサーの反応速度に対してオーバーシュートし、制御目標空燃比が過大、過小になったりハンチングを起こす。先回よりさらに小さくした)
・ 〃
〃 ステップ変化量(ノーマル):0.018(O2センサー信号反転時の補正係数の変化量)
・ 〃
〃 (アイドル):0.005→0.002(大き過ぎるとO2センサーの反応速度に対してオーバーシュートし、制御目標空燃比が過大、過小になったりハンチングを起こす。先回よりさらに小さくした)
・ 〃
〃 ステップ変化量(アイドル):0.012(O2センサー信号反転時の補正係数の変化量)
@外気圧補正
・外気圧補正方式フラグ:0(0:吸気圧変換方式、主にバキュームセンサーによるスピードデンシティ方式用。後述の係数によって換算する。1:外気圧補正マップ方式、主にスロットル開度燃調方式用。スピードデンシティでも選択可能でその際、外気圧補正マップの横軸は吸気圧[mmHg]。スロットル開度方式の場合はスロットル開度[%]になるので要注意)
・外気圧補正方法:補正外気圧=観測外気圧×ゲイン+切片[mmHg](その外気圧での係数を線形補完して求める)
・外気圧補正ゲイン450mmHg:1.3340
・ 〃
470 :1.3090
・ 〃
490 :1.2760
・ 〃
510 :1.2450
・ 〃
530 :1.2170
・ 〃
550 :1.1900
・ 〃
570 :1.1660
・ 〃
590 :1.1440(ここまではいならないと思い触っていない)
・
〃 610 :1.2500
・
〃 630 :1.2000
・
〃 650 :1.1100
・
〃 670 :1.1050
・
〃 690 :1.1000
・
〃 710 :1.0700
・
〃 730 :1.0300
・
〃 750 :1.0000
・外気圧補正切片450mmHg:24.8
・ 〃
470mmHg:23.2
・ 〃
490mmHg:21.6
・ 〃
510mmHg:20.0
・ 〃
530mmHg:16.8
・ 〃
550mmHg:16.8
・ 〃
570mmHg:15.2
・ 〃
590mmHg:13.6
・ 〃
610mmHg:12.0
・ 〃
630mmHg:10.4
・ 〃
650mmHg: 8.8
・ 〃
670mmHg: 7.4
・ 〃
690mmHg: 5.6
・ 〃
710mmHg: 4.0
・ 〃
730mmHg: 2.4
・ 〃
750mmHg: 0.6
・外気圧補正マップポイント1:250(外気圧補正マップの現在吸気圧またはスロットル開度の横軸の最初の値になる。スピードデンシティ方式の場合関係無し)
・
〃 2:500
・
〃 3:650
・
〃 4:750
・一応、上記変更で、680〜710mmHgの山の上でも、リーンにへばり付く事は無くなった。これで微妙な補正も出来ることが判ったので、以後、調整を続けていきたい。
【ご参考】
Q1:外気圧マップ(スピードデンシティで使用したとしたら)
・このマップの数値の表なんですが、縦軸の***mmHgと横軸の***mmHgは、何を表しているのでしょうか?
・縦軸が外気圧で横軸が吸気圧であるということでOKでしょうか?
A1:OKです。
Q2:吸気圧マップポイント1〜4は、外気圧マップの横軸の値を決めているということでしょうか?
A2:そのとおりです。
Q3:だいたい、天候にもよりますが、サーキットのある山の上では700〜680mmHgまで下がり、その時、だいたい高回転側はリーンになってしまいます。
・600〜700mmHgの補正ゲインや切片の係数を、初期値に対して増加させてよいでしょうか?
A3:基本的には増やす方向で良いと思われます。ただし、ゲインを上げるのかバイアスを増やすのかなどを慎重に検討してください。
Q4:吸気圧換算方式(すなわち外気圧補正方式フラグ0)の場合
・表示画面の右側で切り替えをすると、現状の外気圧補正係数が表示されますが、外気圧補正マップを使用している場合はこの係数は1以外でちゃんと表示さ
れますが、吸気圧換算方式の場合、どんなときも1を表示しています。
・考えてみれば、吸気圧換算なのでここの表示は変わらないのだと思うのですが、すると、吸気圧換算方式の場合、外気圧補正が入っているかどうかは、どう
やって確認したら良いのでしょうか?
・例えば、燃料噴射マップなどで、マップトレースしている吸気圧が、係数を大きく変えてみて、マップの読んでいる場所が変わるかどうかを確認すれば良いのでしょうか?
A4:残念ながらFCSS上で等価吸気圧を見る事はできません。マニュアルにある換算式に、外気圧に対応するゲインとバイアスを入力して求めてください(E&Eシステム 淺原)
Aフラグ類
・噴射量マップ使用フラグ:1マップ
・スロットルスピードグラフ:0スピードデンシティ=Dジェトロ)
B吸気温補正
・−20℃:1.060
・ 0℃:1.030
・ 20℃:1.000
・ 40℃:0.960
・ 60℃:0.920
・ 80℃:0.910
・ 100℃:0.900
C水温補正
・−30℃:1.550
・−10℃:1.350
・ 10℃:1.250
・ 30℃:1.200
・ 50℃:1.050
・ 70℃:1.000
・ 90℃:1.000
・水温補正吸気圧分50mmHg:0.200
・ 〃
100mmHg:0.240
・ 〃
150mmHg:0.280
・ 〃
200mmHg:0.330
・ 〃
250mmHg:0.390
・ 〃
300mmHg:0.460
・ 〃
350mmHg:0.540
・ 〃
400mmHg:0.620
・ 〃
450mmHg:0.700
・ 〃
500mmHg:0.800
・ 〃
550mmHg:0.900
・ 〃
600mmHg:0.960
・ 〃
650mmHg:1.000
・ 〃
700mmHg:1.020
・ 〃
750mmHg:1.050
・ 〃
800mmHg:1.070
D始動後増量補正
・−30℃:1.500
・−10℃:1.450
・ 10℃:1.340
・ 30℃:1.280
・ 50℃:1.150
・ 70℃:1.000
・ 90℃:1.000
・始動後増量補正減少量:0.008→0.004
・
〃 減少率:0.990→0.965
・ 〃
減少率切り換えポイント:初期設定1→1.05(始動後増量補正値がこの係数値を超えていたら空燃比フィードバックしない。暖機終了まで学習しないようにしているということか)
・減少間隔:3.0
E-1始動後噴射時間
・−30℃:20.00
・−10℃:15.00
・ 10℃:10.00
・ 30℃: 7.00
・ 50℃: 5.00
・ 70℃: 5.00
・ 90℃: 5.00
E-2始動時噴射時間
・始動後スロットル開度補正0%:1.000(アクセルを踏んでエンジンを掛ける際の噴射時間調整用)
・
〃 10%:1.000
・
〃 20%:0.900
・
〃 30%:0.850
・
〃 40%:0.800
・
〃 50%:0.750
・
〃 60%:0.700
・
〃 70%以上:0.000(プラグがかぶった時用に0にするのが慣わしか?)
F加減速補正
・吸気圧変化下限値:6→10
・吸気圧変化上限値:108
・吸気圧変化ゲイン:0.007→0.009
・スロットル開度変化下限値:5.0→6.0
・スロットル開度変化上限値:11.5
・スロットル開度変化ゲイン:0.010→0.013
・加減速補正減少割合:0.010
・水温補正−30℃:1.500
・水温補正−10℃:1.300
・水温補正 10℃:1.180
・水温補正 30℃:1.100
・水温補正 50℃:1.025
・水温補正 70℃:1.000
・水温補正 90℃:1.000
Gアイドル安定化補正
・アイドル補正間隔:3
・アイドル補正回転数分:0.0040
・アイドル補正吸気圧分:0.008
・回転数補正500rpm:0.500
・回転数補正1000rpm:0.600
・回転数補正1500rpm:0.200
Hスロットル開度関係
・補正開始スロットル開度:150[%](学習ベースの為)
・出力増量補正値:1.080(特に意味は無い)
・スロットル全閉レベル:12.6
・スロットル全閉レベル補正値:0.5
・スロットル全開レベル:63.0(ログ上のアクセル全開で102.6になっている)
・アイドル接点フラグ:有り
・アイドルON開度:0.4
・アイドルOFF開度:1.4(アイドルON+1degとした)
I非同期噴射量
・非同期噴射500rpm:0.50
・上限回転数:4000rpm
・非同期噴射下限値:5.0
・非同期噴射上限値:13.0
・非同期噴射ゲイン:0.200
J点火時期関係
・アイドル点火時期:16→23(ラフアイドルの解消のため。初期設定の16degは経験上遅い気がしたので)
・出力補正時進角:2
・アイドル安定化補正:0.040
・エアコン負荷進角:4
・燃料カット復帰時遅角補正量:1
・ 〃
復帰量:1
Kエコノ補正…学習中のため、設定無していない(全て係数1)
3.Freedomの点火時期設定、噴射量マップ、スロットル開度マップ
@点火時期の表
A燃料噴射マップの表(FREEDOMの係数の1万倍で表示しています)
Bスロットル開度補正マップ(FREEDOMの係数の1万倍で表示しています)