[BEFORE] [NEXT]

2サイクルンジンからの

'03.12.30.

・サスペンション日記だろうが、何だろうが、ネタは待っては呉れない。
・先回の2Kmでヘッド交換事件後も、我が白衣の天使エンジンは、1L/200Kmという冗談のようなオイル消費を続け、たった6ヶ月の間に、なんと20L程度のオイルを継ぎ足したのである。お陰で、全くオイル交換をする必要が無かったのだが・・。
・とにかく、これでは体の悪い2サイクルエンジンである。4A-GEはれっきとした4サイクルエンジンでなくてはならない。
・よって、4サイクルたるオイル消費率に戻すことがこの年末のタスクである。


・ついでに、長年の使用で剥げてきた耐熱布を補修する。
・先回、全部使わずに1.5mほど残して置いて良かった。


・外したヘッドの燃焼室側。
・膨大に垂れ流されたオイルによって、もはや排気側のバルブは、カーボンのキノコのようになっております・・。
・それにしても恐ろしい光景だ、これで良く走っていたものだと呆れ返るのであった。


・シリンダ側。
・なんとまあ、まるで燃料噴射ではなく、オイル噴射をしているような・・。ピストン頂部はオイルでべたべた。
・原因は、先のヘッド交換の際、たった2Kmしか走ってないからと、ガスケットは交換したのに、バルブステムシールをそのまま使用したからだと思っている。
・いろいろな方の話を総合すると、一度バルブをピストンに当てると、バルブの軸表面にバルブステムガイドによる微小な傷が付き、その傷でステムシールが駄目になるとのこと。
・個人的には、2Kmしか走らなかったヘッドを組む際に、バルブについたシート摺り合わせ用のバルブコンパウンドを、洗浄剤不足で良く落とせていなかったために、ステムシールが早期に磨耗したのではないかと疑っている。
・とにかく、ステムシールを交換すれば直る筈だ。他に、漏れている様子も無いのだから。あとはピストンのオイルリングでのオイル上がりだが、今回の燃焼室とピストンを見るに、これはオイル下がりと確信した。
・問題は、シリンダ壁面。なんか、ホーニングの痕がきちんとあった筈の10万Km走行後の101腰下中古そのまま流用品だが、めっきり鏡面に近くなってませんかね?オイル少ない状態でかなり上まで回しているから、異常磨耗してしまったか、あまりのオイル下がりでオイルリングが目詰りして潤滑不足になっているのかも・・。
・以前の92後期の腰下を、そろそろOHして準備しておかないといけないの鴨。


・取り外したバルブ。
・左側のインテークバルブの傘側は一切問題無し。燃料清浄もあり、ここからオイル下がりをしているとしたら、理解できる。
・右側のエキゾーストバルブは傘側もカーボンの山。燃焼室からの大量のオイル燃焼の結果であり、オイル下がりと見て良さそう。


・排気バルブのカーボンの堆積状況。
・これはひどい。カムシャフトシートのクリアランスが、冷間0.25±0.03を遥かに超えた0.4mmなんていうのがあったのが良く理解できる。
・バルブシート面にカーボンを噛むなんてものではなく、カーボンの輪ゴムのようになっている。


・一応、バルブステムの軸径も確認したが、全て規格内だった。
・もしNGであっても、16V用のバルブはごろごろしているので問題は無いが・・。


・さて、バルブステムシールを交換する。
・ところが、今回、手持ちのシールが2種類各8個で16個あるのだが、一体、どのエンジン用のものなのかさっぱり判らない。
・しかし、確かA系は皆同じステムの径である筈なので、何も考えずに、エイヤっと組む。たぶん品番のでかい方がインテーク用の最新に近い筈。
・いいのだ、5A-FE用だろうが、4A-Fだろうが・・(愛知共販はもはや休み・・)。今付いているものは、バルブに対して、明らかに締め代が少なく、抵抗が少なかった。きっとこれで直る筈なのだ!


・バルブ摺り合わせを行ない、今回はカムをヘッドに実装してクリアランスを確認。インテークのシムは降ろしたときのままでOKだった。エキゾーストは4箇所を交換。
・やはり、規定トルクで全カムシャフトキャップを締めると、#1#3#5キャップだけいい加減に仮留めした場合に対して、バルブシートガイドのクリアランスは10〜20μ程度変化してしまうようだ。
・ヘッドも、久し振りに(メタルクリーンが無かったので)マジックリン浴槽での漬け置き洗いを実施。¥358で、必要十分、ペカペカになる。


・ほぼ組み上げた状態。
・ガスケットも例の2Km走行時のTRD t=0.8を流用した。コンプレッションゲージ破損につき、圧縮圧は不明だが、クランクを回した時のエア音ではOKそう。
・結局、今回のオーバーホールでは、全く部品を買わなかった。全部、余りモノで組めた。嬉しいような、悲哀を感じるような・・。コンな環境で良いのだろうか?
・今回、そこら中に転がっている工具が、走行中、または、走行後、エンジンルームから発掘される事がないよう、細心の注意を払い、最後にモノの有り無しを確認した。
・お陰で、部品の欠品、余り、工具の行方不明は、一切無かった。さびしいものの、一人作業ならでは、か。


例の、スリーブを入れた4連スロットル。
・スリーブが、こちら側から手で簡単に抜き差しできるのです。
・走行場面で、手軽に変更できるのです、いいでしょう?


日が暮れて完成の図!

恒例になりたくもないのに、又、年末にエンジンの修理となった。
しかし、今年は、一かバチかヘッドのOHだけである。何故か!?!
答え一発、カシオミニ、ではなく、単に金欠であるからであった。
ここ数年、会社の疲れがどっと出た最終日に飲み明かしてそのまま
連休初日から風邪でダウン、二日寝て年末ぎりぎりにエンジンを直
すという馬鹿げた慣例が続いている。来年こそはこの無駄な4日間を
何が何でも無くして、有意義な冬休み生活を送りたいと思います。
完成後しばらく走り回りましたが、取り敢えず調子は良さそうです。

それでは、皆様、来年もよろしくお願いします!


[BEFORE][NEXT]
inserted by FC2 system