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'02.8.10.AE86 VERSION UP


AE86ここが壊れる

もし貴方が 86ユーザーでまだ知らない内容があったとすれば近日中に実体験する事でしょう


−INDEX−

1.電装関係
2.エンジン
3.シャシー
4.内装関係
5.AE86諸元

1.電装関係

(1)バッテリー

なんと言っても最初はバッテリーである。夏に水の消費が激しすぎる。
最初のAE86は一夏でだめ、3年で3回交換した。
無補水バッテリーにしたらさらに事態が悪化(水を入れられないから、当然だが)
これはE/G(エンジン)ルームが熱すぎるのが原因。まめに水位を確認すべし
バッテリーをわれもの用包装とアルミ箔で断熱すると良い結果。

(2)オルタネータ

10数万キロも走ると必ず発電しなくなる。メーターインジケータが点灯する。
原因はカーボンブラシの摩滅だけである。故障ではない。
アマチャー(電機子)はそう簡単に壊れるものではない。
トヨタ部品共販でカーボン端子を2個だけ購入すると\210×2で買える。
オルタネータブラシPART NO.27371-70300
決してディーラー等で修理を依頼してはならない
オーバーホールでも2万は超え、新品ともなるとAE86の下取り値相当の筈。
非常に簡単な工具(M8ソケットと+ドライバ+ハンダこて)で自分で交換可能。車から外すこと自体も 簡単。

(3)スタータ(セルモーター)

これも新車の時からのAE86の大きな弱点。
熱間時、バッテリーOKでもE/Gを止めるとすぐには再始動しない。
ドライブピニオンの飛び出し音もしない、ヒューズはOK、EFIもOK、
こういう時はこれが原因。冷やすと嘘の様に簡単に回る。
サーキット走行直後では1時間以上冷まさないとだめな場合も。
これでガソリンスタンドの給油後にびびった諸君も多いのでは。
サーキット走行中になるとさらにマズイ事になる、
コーナー中央に逆向きに停まってE/G死ぬと即動できないのでスリル満点…
寒冷地仕様のリダクションギヤ付スタータなら良いのだが。
忘れないで、セルだけの問題なので押し掛けすればE/Gはかかる。

(4)スロットルポジションセンサー

エンジンアイドル回転が安定しないときはほとんどこれが原因らしい。
'99年1月号のCARBOYにセンサーの調整方法が載っていましたね。
でも、微妙な調整をしてもなかなか調整しにくいのが実感。エンジンをかけた状態で、T端子短 絡(下記(5)参照)状態でエンジン回転数が下がるところまで回転させて、アイドル調整のエアバルブと共に丁度アイドルが安定するところを探すしかない。 エンジンをかけずにイグニッションONでダイアグOKでも、あら不思議、エンジンかけた途端にIDLE接点OFFになっちゃうから不思議…。

(5)ダイアグノーシスチェック

EFIのダイアグノーシスチェック方法。
'99年1月号のCARBOYにも確認方法

(6)点火プラグ×点火プラグコードのキャップの長さ

社外品の点火プラグコードを使用する場合、そのキャップのヘッドカバーへのシール座からプラグの頭の金具までの長さが適当か確認しておく必要が あります。
NGK純正プラグにNGK用品のコードで92後期ヘッドカバーに付ける と、振動でキャップがプラグから抜け、隙間の出来た状態になっていました。
失火の原因になるだけでなく、フリーダムECUの学習機能ONで走行していると、徐々にデータがおかしくなってしまう一因にもなっているかも。

(7)ディストリビューターのオイル漏れ

BBSの話題より。ご参考に。
エンジンが暖まってくると、ノッキングのような症状が起き、回転数が2700rpm以下ぐらいまでしか起こらず、エンジンをかけたばかりのオートチョー クっぽく回転数のあがっている時は起こりません。症状は、低い回転数でクラッチをつないだ時になる、ガックンガックンというような感じです。どうやら低回 転でアクセルを急に開けたときになるようです。
1速(交差点で対向車が切れるのを待ちやや停止・発進)→2速(さっさと曲がるぞ、とアクセル開ける)→がっくんがっくんがっくん(おわわっ)→(クラッ チ切る)落ち着いたー→(クラッチつないでアクセルを・・・)がくんがくんというような症状です。
どうも、原因はディスビの中にオイルが漏れて、オイルだらけになっていることによる失火が原因だったようです。以前から、ディスビの外側のOリングが駄目 になってオイルがディスビの外側を垂れてくるのは有名ですが、今回のものは、シャフトからのオイル漏れのようです。20年経つと、もうそこらじゅうのOリ ングが限界なのでしょう。これはディスビを交換するしかないのかな?シャフトのオイルシールが交換できるのかどうかは、私もやったことがないので、判りま せん。

(8)ディストリビューターの断線

BBSの話題より。ご参考に。
なぞのエンジン始動不良でずいぶん苦労しました。結局その時はイグナイター不良と言う事で中古ながらもイグナイター交換して無事復調致しました。しかし今 朝出社しようとセルを回した所、以前と同じ症状(セルは快調に回るもエンジン始動の気配無し)そしてこれ又前回と同じように夜に帰宅してエンジンをかける と何ごともなかったように一発でエンジン始動。
同じ経験がある方より。そのときはデスビから出ている配線(G,NE)の内部断線でした、調子の良い時は絶好調で悪いときは始動不能ですから、ホント通勤 などで苦労しました。
原因にに気づいたのは調子の良いときにデスビから出ている配線(の根元)を押したり引いたりしたらエンジンが絶不調になったり止まったり変化があったから ですが、そこでデスビ1つ潰すつもりでコネクター付近で配線を切って、皮膜を剥いていったら途中で中の銅線が金属疲労のように断線してました、多分振動や らで繋がったり切れたりしてたんでしょう、外からは判別出来ません。2年ほど前の話なんで記憶が定かではありませんが、取りあえず線を裸にしてハンダでつ ないでビニールテープぐるぐる巻きにした記憶があります、その後は現象は起こっていません。 あくまで私の場合ですが、参考までに、あ、あとイグナイター ですが、ボデーにしっかり固定されていないとエンジン掛からなかった記憶があります、一度部品の動作確認で固定しないでコネクターだけつけてもエンジンが 掛からず、イグナイターからボデーに1本アースを引っ張ったら1発で掛かった覚えがあります。

(9)ヘッドランプ が暗い/光軸調整機が動かない

86レビンのヘッドランプは、標準型ではない異型の樹脂レンズになったこともあり、トレノの標準型ように、国産の安いIPFやマーシャルやヘラ等の欧州の 配光も良くリフレクターもレンズの性能も良い標準規格のヘッドランプに交換できないという悩みを持っている。既に20年以上を経過しているため、レンズの 内側も汚れ、リフレクターの鍍金も酸化して曇りがちになっているのが普通。さらに、光軸調整も樹脂の軸方向交換機が駄目になっていて動かせない場合がほと んど。

そこで、一度、ランプを分解し、内側を掃除したり、リフレクターを後継の AE92の新型に交換し、ずっと明るくすることができるので、その方向を紹介しておきます。このAE92のリフレクターが86に流用できるという のは、ミンカラでたまたま見つけた話で、良くぞ気が付いてくれたものと感心しました。

(10)ルームランプが点かなくな る


ルームランプのレバーをON位置にすると点くが、DOOR位置にすると点かない、とか、横Gの高い走り方をするとルームランプが点いたり消えたりする、と いう状態が意外に早く来ます。これは、ルームランプのレバーの接点が旧来の接点金具で直接、接点を繋いでいるためで、その接点を結ぶ金具同志のはとめが、 振動等で破断し、導通不良を起こしているからです。
ルームランプを天井から取り外し、金具の部分にちょっと手を加えれば、簡単 に直すことができます。ついでに、ワット数が大きくて暗い86のルームランプを最新のLEDにして明るいものに交換してしまいましょう。

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2.エンジン関係

(1)ウォーターポンプ

まずシールがいかれて若干の水漏れが始まる。
早く修理しないと冷却系圧が下がりオーバーヒートし易くなる。
放置すると軸受けが固着し水が回らずシリンダヘッドが歪む→廃車。
この部品だけはリビルトや中古ではなく新品が良い。
必ず壊れる。
私のAE86は初代も今のポンコツも換えるはめに。

(2)ラジエータ周り

月一でサーキット走行する場合は最低でも半年に一度LLC交換しよう。
ドレインコックはラジエータコアの下だけでなく、
E/Gシリンダブロック左側面にもエア抜きボルト栓が あるので注意。
また、まめにラジエータリザーバくらいは覗こう。
LLCをばかにしていると廃車への坂道を転がり落ちるのは時間の問題。
エンジンオイルはなにか入っていれば事足りるが、LLCはそうはいかない。
あなたが貧乏学生で、もし、夏季は水を入れて、
なんて思ったら冬にはLLCを入れても無いのに茶色の水 (それは錆び) に変貌。
水の減り方が早くなった場合(日頃覗いていないと気付けない。それも、
たまにはラジエータキャッ プそのものを外して見よう!
そうしないとトンデモナイ事が進行しているかもよ)、
先のウォーターポンプ他、徹底的に原因を追求する。
最悪の中古車はシリンダブロックやヘッドのひび割れからの可能性も。
ラジエータキャップやサーモスタットも4年もたったら交換だ。
ヒーターの効きが悪い場合、サーモスタットは最初に点検する。
ただし、ヒーターの場合は「4.内装関係」で述べるもっと過激な原因かも。

(3)アイドルが出ない(その1:アクセル開けてもダメ)

まるでガス欠のようになる。アクセル開けるとエンジンブレーキがかかる。
軽油を間違えて入れた時のようになる(と言っても体験していないとわからない)。
この原因はいくつかの要素が単独、もしくは複合しているようだ。
@ヒューエルフィルタの目詰まり。10万キロを超えて走るのなら交換してみる。
どろどろの黒い液体が出て来て交換して良かったという実感が。
Aヒューエルポンプスカベンジングフィルタの目詰まり。
燃料タンク内ポンプの吸い込み口のメッシュフィルター。
Bインジェクションノズルの詰まり。
フューエルデリバリパイプを外して観察すると判るが、
実際に確認しようとしてくれるディーラーは少ない。
まず@を確認(10万`走ってフィルタを交換して損はない)、
直らない場合は、即、フューエルポンプを交換するしかない。

(4)アイドルが出ない(その2:アクセル開けるとOK)

アイドルだけ出ない。高回転は回る。ラフアイドルひどい。
@コールドスタートインジェクタが燃料吹きっぱなし。
これは排気が黒く臭いのですぐ判る。
Aスロットルセンサーの故障
リターンスプリングが鈍(なま)っていて全閉しない。
部品リストでは対策品番が3個目になっているようだ。
ラフアイドルでは、よくハイテンションコード系やコイル、点火プラグ等、
電気1次系統の指摘を受けて時間や時にお金を無駄にするが、
ハイテンコードなど、純正品である限りまず一生持つ。
壊れるのはFETやウルトラ等の高性能を標榜したものだけ。
また、それらで8000rpm以下で出力が増加すると思うのは気の迷いです。
(分かってるよね、8000rpmまで回らないよ、ノーマル4A-GE)
高価なCDIやらコードを買うお金があったら、
洗浄材入りハイオクガス入れて、ディスビで点火時期でも早めた方がよっぽどましよ。
Bスロットルのがた
スロットルとボデーの間に、全閉時でも隙間があってエアが漏れ通ってしまう。処置は困難、清掃で何か挟まったモノがあったら除去、もしくは交換。
Cエアバルブ
スロットルの下に抱いているエアバルブが詰まる、筒抜けになってもアイドルは安定しない。友人の86の部品と交換してみるのが最善の確認方法。
Dバキュームセンサー
これが壊れるとアイドルは下がらない。これも、友人の86の部品と交換してみるのが最善の確認方法。

(5)オイル漏れ

これも、まあちょっと位と放置して、知らぬ間にオイルが
オイルレベルゲージの先にも着かないような状態で走ると、
ピストンがシリンダブロックにかじって大変な事になる。
第一、4A-GEには修理用のオーバーサイズピストンが純正にはデビュー当時は無かった(今はあるのか も)。
修理書にはいかにも有るようなことが書いて有るが実は無い。
私は初めのAE86でシリンダ内径をボーリングしてからトヨタ共販に部品を買いに行き、
4A-GEは絶対壊れないから作っていません、
と言われて愕然とし、TRDに特注して買った(バカ高価)…
原因は種々あるが、過去の体験からは、
@当初リコール対象になったオイルプレッシャーゲージのハンダ外れ(霧吹きのように漏れる)
Aオイルパンのシール材が劣化(又は前オーナーの路面干渉でパン自体が発錆、穴あき)
B古い車では当然のように、クランクシャフト前側オイルシール
C同上で、カムシャフトオイルシール。
D変った所では、社外品のオイルクーラー用アダプタのオイルシール
(シリンダブロックの純正のオイルフィルタの所にねじ込む)
がシリンダブロックの平面(4A-GE相当小さい)から外れていて漏れる。
アダプタのオイルシールが同芯円状に二本あるものが絶対安心。
忘備録で書き留めておくが、トヨタ純正の欧州仕様にオイルクーラの設定があり
プレッシャーレギュレーター、オイルパン、クーラーコア、ジョイント類の
全てセットで\40,000位だったと記憶している。
昔は東京トヨペットに車両持ち込みしないと売ってやらないと言ってたものだが、
もはや近所のトヨタ部品共販で買えるのでは?

(6)マフラーが腐る

通勤距離が数キロ以内の場合、確実に2年も経つと腐って中のセパレータがガサガサに。
材質がSUS系の高耐腐食性材ではないので仕方が無い事でしょう。
理由は近すぎる目的地故、熱くならない内に車が停まるので
燃焼により生じた水が蒸発仕切らず酸性のまま溜りマフラーを腐らせるから。
燃焼で水が生じるはOKですよね?石油ストーブ焚いて加湿器回す人はいませんよね?
ろうそくの上にスプーンでもあてれば、表面が曇って水滴が付くのがわかりますよね。
岩波新書「ろうそくの科学」ファラデー著、読みます?
この件、うちの実家のじいさんが何回言っても理解せず私を馬鹿呼ばわりするので閉口。
私は、2台で都合5本の純正マフラーを使用しましたが見た目OKでも中身が腐ってしまいます。
尚、社外品の低音増加マフラーも材質が鉄であれば、どんなに高価でも腐る=近距離通勤はまずい、です。

(7)クランクシャフトプーリーがもげる

この、私も初耳の恐ろしい話は、静岡のトンサー氏の経験談であります。
先々日'97.9.6.,クランクシャフト/プーリー辺りを分解しましたので状況を連絡します。
分解した結果は、クランクシャフト/プーリーとタイミングベルト/プーリーはクランクシャフトに1個の位置決め用キーと1個の取り付け用ボルトで固定され ている。
今回は,何らかの原因で取り付け用ボルトが脱落し,クランクシャフト/プーリーとキーが相対的に動いたため,クランクシャフト/プーリーのボス部とキーの 半分(クランクシャフト/プーリーと勘合していた部分)が疲労破壊したものと考えられる。
したがって,クランクシャフトからクランクシャフト/プーリーにトルクが伝達できず,クランクシャフト/プーリーの先に付いているウォーターポンプやオル タネーターが死んでしまった。
そういえば,この夏頃からボルトが緩んだような音がしてたな〜。
いろんな所を増締めしたが効果がなかったな〜。
まさか,クランクシャフトのボルトが緩んでいるとは思わなかったな〜。
ということで,交換必要部品を部品共販に買いに行きまし た。
昨日(日曜日),残ったキーの半分を取り除こうとしたが,なかなか手強い。
結局は整備工場に持って行くことになるのかな〜。
そうすれば,またお金が掛かるな〜。

・教訓
 「ボルトが緩んだような音には注意が必要!
特に,エンジン回転数が上がると消えるような場合は!
  早く対処しなければ最悪な事態が待っている!」
  今回は,早く見付けていればボルト1本で済んだかもしれない。
・一方では,ボルトが緩んだような音は車全体から常に聞こえ,
 致命傷にはならないから大丈夫と言い聞かせている自分もいる。
 難しい問題です。

(8)アクセルリンクがもげる(スロットルボデーのシャフトが破断)

先日、岐阜のYZサーキットで走っていると、エンジン回転7千数百rpmから妙な 振動がアクセルペダルに。エンジン音自体はOK、でも何回でも振動。そのうちに、妙に加速が鈍り、立ち上がりでシビックに付いていけなくなってきた。おか しい、と思う間もなく全然加速しなくなる。瞬間、ピストン焼き付き、メタル焼損etc、頭をよぎるが、とにかく後続に迷惑を掛ける訳には行かずハザード焚 いて、Pへ戻れるかどうか(第2コーナー抜けた所)様子を見る。クラッチ踏んでアクセル全閉(後輪ロックする鴨)…、すると、タコメータは3000rpm で止まっている。???、アクセル開ける、無反応で3000rpm。 内心、これはスロットルケーブルが切れたんだ、と思いつつ、クラッチでごまかしなんとかPITへ帰還。ボンネットを開けた、すると…

 ちゅどーん、確かにスロットル「系」が切れている。しかし「糸」=ケーブルではなく、スロットルボデーの中のスロットルのシャフトぽっきり破断していた…。スロットルボデーの上部2 本の植え込みスタッドボルトが緩んで、エンジン振動で共振して、スロットルの板を留めているねじ部からシャフトが疲労破断したようだ。
「だれかぁ〜スロットルボデー持ってない〜?」と私は叫んだ。 すると驚いた事に、「あ〜ありますよ〜トランクに積んでました86のインマニ〜」 という声が…(^^:

(9)タイミングベルトカバー内の黒い粉

タイミングベルトカバーを取り外した際、ベルトの幅方向エンジ本体側が1〜2mm削れておりその摩耗粉がカ バー内に積層しているようならすぐに以下を確認のこと。
アイドラプーリーの裏側にテンションSPRGが引っかけてある筈。
その裏金はエンジンブロック本体にその中心を回転可能にボルト留めしてあるが、半径方向にスタッドが加締めてあり、同じくエンジンブロックの孔に刺さってテンショナーSPRGの反力を取るようになっている。
その加締めが長年の振動で外れ、スタッドがエンジンブロックから抜けていると ベルト張力が無く、エンジン回転変動でベルトが振れてテンションSPRGやクランクプーリーフランジ等に干渉して摩耗していくようだ。
それにしても、こんなところまで壊れてくるとは15年もの車両とは恐ろしいものである。

(10)アクセルリンクがもげる(スロットルボデーのプーリーが破断)

先日、岐阜のYZサーキットで走っていると、またもや妙な感触がアクセルペダルに。妙にペダルが柔らかくな り、おかしいと思う間もなくアクセルペダルが床に貼りつく。 今度こそスロットルケーブルが切れたんだ、と思いつつ、アイドル回転数で走行、なんとかPITへ帰還。ボンネットを開けた、すると…今回はスロットルのシャフトについたプーリーが割れている…(^^:
スロットル開度全開時のストッパやアクセルペダル側の高さなどの調整を確認していおかないとこうなるようです、特に86→92インマニ、スロットル交換し た場合。
 
 

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3.シャシー関係

(1)FRアライメントの大幅な狂い

ちょっと走るとFRタイヤが大幅に片減りする、轍取られが大きい場合、
きっとかなりトーアウトになっている筈。
初期のものはFRロアアームのボデー側ブッシュの内筒カラーの端面がフラットで
滑りに弱く、大荷重入力でポイントがずれていたようだ。
その後、端面にセレーションが打たれたブッシュに変わっているのでは?
交換してもたかが知れた値段の筈、純正だから。
何度アライメント調整してもトーがずれる場合は要チェックかも知れない。
そうそう、世にあるハンターというアライメント値をデジタル表示する
機械に大金を払っても、ディーラーが手で測定した方がずっと正確のよう。
デジタルで表示するから正しいという根拠は何も無いことを忘れずに…

(2)どうしても真っ直ぐ走らない

私も2代目のAE86がそうでした。なにをやても真っ直ぐ走らない。
いろいろ壊れたものを直していくうちに意外な原因が…
なんと、RRの4リンクサスのバンジョーが曲がっていた。
LSDの破損で困っていた時、解体屋でTRD4ピニのLSD付き86を発見、
さらに一人でそれをバンジョーごと拾って来てくれた怪人クーノに感謝。
バンジョー交換でLSDだけでなく、直進性まで治った。
当初、車の内装を全部剥がして錆び止めしていた際、
RRフロアが張り替えてあったので(86の中古なんてそんなもの)
なんだ後突経験車か、と思ったが、そこまでは気が回らなかった。
逆に、解体屋でバンジョー単品を購入する場合は素性が判らないので
(これ後突車のですか、なんて聞いたって答えは無い)
車の全体像がわかるスクラップから取り外したいところです。

(3)高速走行時ハンドル振動が激しい

およそ120キロ位にハンドル周方向の小刻みな振動が発生、
5時間も走っていると、これが白蝋病かというような手のしびれが…
これが俗に言うところのフラッター。
通常、4輪のホイールバランス取りで直るが、
逆に、どうしても直らない時はON THE CARでダイナミックバランスを
とっても直らないものは直らない。
こういう時はタイヤを替えてみる、誰か貸してくれる人がいれば簡単。
新品タイヤで直るとしたら、バランスウエイトだけの問題ではなく、
タイヤユニフォミティ(形状)の問題を生じさせる何か別の問題がある。
ある振動周波数でホイールが異常変形摩耗する共振系があることになる。
一つは、FRのアクスルベアリングの緩み。
古いと知らぬ間にベアリングナットが、キャップの緩み止めだけで
止まっていることがある。ジャッキアップしてホイールを縦にゆすってみる。
その際、少しでもガタ的なものを感じたら、グリースキャップを
マイナスドライバーの先で浮かせて取り外し、中の回り止めピンとリテーナを抜き
ナットを再度T=28Nmのトルク(20Cmの柄の長さのレンチで約15Kgの力)で締めて
ピンとリテーナが合う所でナットを止めて蓋をする。
もう一つの可能性は、GTV系等マニュアルステアリングの車でのラックガイドのガタ。
R&Pギヤボックスのピニオン軸のラックバーの反対側にあるラックガイドという部品。
これを緩めて、中にある樹脂シートが変形していたり、ラックガイドバックラッシュが
狂っていたりすると、フラッターに対する抵抗力が極端に低下するようだ。
お金が無いので、ギヤボックス全部交換するわけには行かない。
そこで、ディーラー等でラックガイド周りの部品だけ新品にしてもらって、
調整し直してもらうと良い。でも、ここの調整はハンドルがロックしちゃうかも、
とかなんとか言ってサービスが見てくれない事が多い。が、それであきらめては
貧乏人の名がすたる。立ち会ってでも、丁度良い按配の調整をする。
パイプレンチと簡単な工具があれば、単品パーツ買ってきて、自分でも出来る。
私は純正レンチアダプタを買ってしまった。
車載のままでも調整可能。

(4)LSDがすぐ壊れる-その1-

有名な話は、トヨタ純正LSDオイルはトヨタ純正2ピニLSDにしか入れてはいけない。
安いからと、純正オイルをTRD4ピニ等に入れると、しばらく後に効きが落ちて、
さらにガキガキと異音が出、クラッチが異常摩耗して壊れてしまうというもの。
どうもあながち冗談でもなさそう、 解体屋で拾った一個目のTRDのLSDを大量にあった
純正LSDオイルで慣らしをしたが、
その後サーキットでダッカムオイルに入れ替えても滑り、異音、振動共にひどく、
その後、通勤途上でピニオンの歯が一枚、また一枚と割れ、大騒音となった。
デフのピニオン歯は、噛み合い率が高い特殊ギヤであるから、
2枚でも残ればなんとか走れる(音はすごい)が、砕けた金属片がバンジョー内を
隅々まで回るので、洗浄とかオイルシール全交換とかで大騒ぎになります。
私はたまらずディーラーに行った。単品でTRDから買った部品を持って。
TRD等、4ピニのLSDを付けたら、慣らしからBPとかダッカムとか、
ちょっと粘度も値段も高いオイルを使いましょう。
それと、解体屋さんで(貴方が裕福で新品を購入する際も)LSD付きバンジョーや、
LSD単品を買う場合に、一つだけ注意して欲しい事があります。
それはAE86のRRアクスルシャフトのデフ側セレーション(挿入部)径が、
昭和60年5月の後期型車の途中(昭和60年10月生産分頃)から太くなっている(フレームNO.は下 記参照)という事実です。

カローラ系:フレームNO.AE86-0195585以降
スプリンター系:フレームNO.AE86-506626以降

これを間違えると、せっかく買ったLSDが付かないので大変です。
必ずトヨタ部品共販等で車体番号を確認し、自分の車のフレームNO.と照合するようにしましょう。
特に貧乏で解体屋ばかり回っている方は注意…そんな方は先刻ご承知ですね。

(5)ブレーキパッド

サーキット走行すると当然FRが早く減ります。
過去の経験からいって日立フェロード2424Nだったか、
大昔はこれだと思っていたストリート用のパッドは黒い粉を吹いてあっという間に摩滅。
全然良くない。耐熱性が乏しすぎて割れちゃう。
トムス系列のWINMAXのACREという赤い箱に入ったパッドが安くて性能もリーズナブル。
でも、性能と対価を考えると、純正で何も問題が無いように思われます。
相当古い車のブレーキを自分で交換する際は、市販のブレーキ洗浄スプレーを用意。
純正パッドの場合はシムセットで購入できるが、
社外品の場合はシムを一個一個選択する必要があるので注意。
まあ流用して変形せずに組めれば鳴きを気にしなければ問題ないと思います。
奇妙なのは、一般走行では、FRよりRRパッドの減りが早く感じたこと。
初代86の3年間14万キロで4回も交換。FRは寿命を全うしたことがないので不明。

(6)クラッチは壊れない

これは、ここに載せる項目じゃないんですが、一言だけ。
AE86のデビュー後一年目の改良からクラッチの圧着力が強化されていますが、
その効果は素晴らしく、初代も現ポンコツも12万キロを超えて、全く問題無し。
もっとも、初代86は14万キロ時に、一体いつまでもつんだと、
停止時、PKB(パーキングブレーキ)引いてヒール&トーでエンジン回転上げたら
6,000rpmで突然滑り、そのままずっと滑って走れなくなった。
ので無茶なチェックは止めましょう。友人のを見ていても15万位持つ?
強化クラッチはチョイ乗りサンデーレーサー程度では全く不要と思われます。

(7)2nd、3rd間のシンクロ

酷使されると2→3シフトアップと、3→2シフトダウンのシンクロメッシュがいかれます。
シンクロの修理は高いし、自分で中身を組み直すのは、
4A-GEの16枚のカムシム調整並みにやる気力が起きない。
物理的にシフトチェンジできるのならば
"シングル"シフトクラッチアップ&ダウンの練習に励み、機械の穴をドライバーが埋めるべき。
人車の一体感が生まれる。
店の修理代でAE86がもう一台買えるので、
解体パーツで物があればそっくり載せ換える位しか手は無い。
何故2nd、3rdだけかって?
だって、私のサンデーサーキットコースは2、3速しか要らないんだもの。
その点でクイックシフトも特に要らない

(8)ハブナットが削れてしまう

4個千円とかの安物ハブナットを使用していると、ナットの材質が柔らかくネジ部がハブボルトにまとわり着くように削れてゆく。
解体屋で純正ハブナットを拾おう。
錆びてまともな物がないならディーラーで買おう(\380/個)。ちょっと高い
経験上ミニサーキットのコーナー手前のフルブレーキングでタイヤが外れてしまうのは見ている方も気持ちが良いものではない。
それと、ハブナットは必ず十字レンチで手で締めないと、古い車で何回もホイールの脱着をしていると、ハブボルト折損に至ることあり。
締結トルク指示値は通常103Nm(1050Kgf-Cm)である。T字レンチで左右の腕に約25Kgfの力。ハブボルトスタッドが、アクスルベアリング を外さなくては抜けない車もあり、300円の部品に工賃5千円とかにならないよう気を付けたいもの。

(9)LSDがすぐ壊れる-その2-

LSDの初期作動トルクの設定値をどの程度にするかは、いつも悩ましい事の一つ。
12Kgfmなどとすると急速にトルクダウンするだけでなく、無理なシム増しとか負荷を掛け続けると最悪はデフケースの亀裂破壊に至るやも知れない。
瑞浪サーキット用に、今回は初めてプロに依頼して8Kgfmでセット。初期値9.3Kgfmは多板クラッチのばり取りの為、すぐ8Kgfmに落ち着くとの 事。トルクの落ち方が激しいのかどうかは、過去5Kgfmより大きくしたことは無いので今後の走行を待つしかない。

総費用は今回遠かったので車両ごと持ち込んだので脱着込みで5万程度かかってし まった。

(10)安物STRGボスの緩み

快調だったフラッター(高速道路でのハンドルの周方向の速い振動)が、徐々に悪化してくる。
仕方ないさ、おんぼろだし、タイヤブロックの2個や3個は飛んじゃってるし、とあきらめているあなた。
ちょっとハンドルボスを点検してみましょう。
特に、私のようにハンドルはMOMO、でもボスは高くてその辺の亜鉛ダイキャストのように見える安物 (=非純正)を使われている方は要注意です。
ハンドルボスを良く見ると、さすが安物、まわり止めのワッシャで徐々に削られて、なんだ、ナットはス テアリングシャフトに直接締まっているだけじゃないか…。
それで、平ワッシャーを追加したらガタは解消、フラッターも我慢の限度へ低下。

ここのナット、サイズは17だけど、ネジピッチはP=1.0(DIY店のP=1.5では合わない ので注意)。

(11)RRダンパーのブッシュのへたり

RRの接地性が、徐々に悪化してくる。
そのうち、だんだん通勤の慣れ親しんだでこぼこのショックが妙に大きく感じるようになる。
ちょっとRRダンパーのアッパーブッシュを点検してみましょう。
TRDの強化ブッシュを組む際に、あまりブッシュを締め過ぎるとロッドが折損してしまうので最初はやや 緩めにダブルナットを掛けたままにしていたのが原因。
久しぶりにブッシュを良く見ると、ナットは緩んでいないがブッシュがへたって上下に隙間が ありダンパーが小ストローク時には減衰力出していなかったようだ。
ダブルナット掛け直してガタは解消、RRの接地性、異常な路面ショックも解消した。日頃の感覚と確認をおろそかにしないことかと。

(12)PS+エアコン駆動ベルト破断

澤王さんからの情報。
PS付きの86に乗っているが、ある日の通勤途上の東名で、突然コーナリング中にハンドルが異常な重さに。
「ああ〜、PSオイルがそういえば減ってたんだった…」
と、エア入りでオイルが回らなくなったと思ったまま会社を往復、次の休みにボンネット開けたらPSプーリを回すベルトが無い(^^;
確かにエアコンも効かない。本当にベルトが切れるまで乗るとは…。さらにその後、「んーん、PSが作動しないとハンドルのニュートラル付近のたらたら感は 仕方が無いとしても、操舵のリニア感は大変良い。」そうだ。それはアシストしてないんだから当然そうだが…(^^;;;

(13)LSDがすぐ壊れる-その3-

またもやピニオンの歯が欠けた(ToT)
先日、通勤の帰り道で乾燥したデフノイズを不信に思い、翌日の朝デフを覗くと、フィラーキャップが無い!
仕方なく、そのままオイルを入れ替えて蓋して乗っていたが、1L入ったってことは200cc程度しか残って無かったってこと。よせば良いのに次の週にサー キットへ出かけたら、加速中にゴクッと音がしてピニオン破損の模様。どうしようもないので、そのまま大異音大会のまま岐阜から愛知まで50Kmを帰還。
で、 週末にデフを開けたら、やはりピニオン歯3枚折損、サイドリングギヤも破損して いる。
こう何回もピニオンが破損するのは、もはやデフケースを換えるしかない、ということで、今回はデフケースを入れ替えることにした。が、その後期用と思って いた手持ちデフに、後期用に替えている私のアクスルシャフトを挿入すると、なんと太すぎて入らない…。後期用と思っていたデフは前期用であった。ので、ま たもやデフ2個をばらばらにして、前期のデフケースに後期のLSDを組み込むはめに。
さらに、スライディングハンマーが見当たらず、近所のショップから借用するはめに。1時間でいいと言ったものの、上記が発覚し、デフ調整に手間取り、2時 間後にやっと返却できた。
今回、よくよく見ると、デフの両端についているベアリングのリテーナーが変形しているよう。ベアリングアウターレースは脱着式になっているのだが、それを はめてデフを組んでバックラッシ調整しているとベアリングのケースを正規に締めると重くて回らなくなるので、ベアリングリテーナーがアウターレースと干渉 してしまうようだ。困った、ベアリングの新品が無いので、前期純正LSDからプーラーで抜いたベアリングを差し替える訳にもいかず、今回そのままリテー ナーをたたいて直して組み込み。
それにしても、作業場にエアツールまであったので良かったが、お手伝いしていただ いたZAKIさん、遅くまで付き合って下さってありがとう(なんと写真は電池切れでパーでした(^^;)、お陰でなんとか走っています。やはり、デフも異 音を感じたら、自分で気の済むまで見ないと駄目ですね…。

(14)LSDがすぐ壊れる-その4-

さらに再びピニオンの歯が欠けた(ToT)
先回、デフの両端についているベアリングのリテーナーの変形をたたいて直して組み込みしたが、直進時無音になったが、低速旋回でやはりドライブピニオン× サイドリングの打音が大きい。
仕方なく、再度ばらした。今回は、純正LSDと、TRD LSDの2個とサイドベアリングも準備するという万全の体制で臨んだ。
どうも、LSD本体か、ドライブピニオンの支持部に問題がありそうだが、良く分からない。オイルを抜くと今回も鉄粉だらけだったので、LSDごと交換する ことにし、K氏ガレージにあった無名氏所有のTRD LSDを信じて丸ごと交換。

 異音は解消。ただしLSDの効きはこれから確認というところ。
外したLSDは、シャフトの両端からトルクを掛けると、走行時のようなゴクッとした振動が出る。その振動は、ドライブピニオンとLSDケースに生じ、サイ ドリングには生じないようだった。どこがおかしいのか後日ばらして報告できると良いですが。

 今回は、HK氏にお手伝い頂き、K氏ガレージをお借りした が、そこにはY氏のほぼオーバーホール完了したMGがキャブ調整をしていた。すばらしい音、その姿。

(15)ステアリング系のがた・・なんか高速コーナーでトレース性に 欠けるとお嘆きの諸兄へ

車検は2年毎にやってくる。すると、取っておきの日本一安い車検用8分山タイヤの出番である。
で、今回、車検後に雨が降った。その雨天の夜中、ハイグリップ(と言っても1分山)からローグリップタイヤのままの状態で会社の帰りに土手の上を走ってい ると、やや高速での微妙なカーブでなんかいつものイメージに対してトレースが上手く出来ない。対向車が来ると怖くて仕方がない。とてもタイヤの影響とは思 われない。
操舵を入れて観測するに、どうも手応えの出るのが遅い。その為、遅く動いて途中から早い。で、戻すと車両のヨー方向の収束が極めて悪い。感覚的には、ギヤボックスを留めているサスペンションメンバーに亀裂でも入ったかのような感覚に、リヤタイヤがパンクしているような感じである。

まさか、又もや後輪タイヤのパンクかと思ったが 違った。そういえばこれは過去にもあったハンドルボスの摩滅かもと思ったが、これも違った。フロントのハブベアリングか(2年前に交換している)とも思い大枚を注ぎ込んで見たが、たしかに傷は あった(おいおいたった2年でかい?)がガタは治らない。うーむ、サスメンの亀裂らしきものはないし、と思っていたら、エンジンオイルの下血でオイルまみ れになっているギヤボックスを留めるゴムのグロメットが目に留まった。ので、交換した。気持 ち向上、大差無し。サスペンションメンバーに亀裂も無いのであった。さらに、サスペンションメンバーとフロントサイドレールの結合部も確認したが問題無 し。

う〜む、ギヤボックスか・・・。

ラック&ピニオン式のマニュアルギヤボックスなので、ラックガイドというピニオン の噛み合い部の反対側でラックバーの反対側をラックガイドという部品がコイルスプリングで押している。そのコイルスプリングの外側をプラグが、あるクリア ランスを持って止まっているのであるが、そこのクリアランスがラックガイドの摩滅などで拡大しているのではないかと思い立った。で、早速、近所の修理工場 でリフトアップしてもらい、そのプラグを締め込んで見たが、若干の向上は感じられるものの、全体的には変わらず。

で、ピットに持って行き、上からハンドルを左右60degほど切ってもらい、下側から音振動を確認した。すると、ギヤボックス自体からガタガタ と異音が出ているが、どちらかと言うと左側、それもラックガイドボールジョイント(ラック ブーツ内にあるラックバーとタイロッドを結ぶもの)から出ているようだった。手でタイロッドを持って前後に揺するとガタガタしており、さらに良く見るとハ ンドルを左右に動かした際に。右側に対して左側のタイロッドの動きが鈍いことが判った。今回、どうしようも無いので、これも新品に交換することにした。ギ ヤボックス全体の交換は回避できたので良かった(のか悪かったのか)のだが、結局、ハンドルN付近で左右に±数度も手応えの無い領域が存在したり、片側の タイヤだけでもちょっと正確にステアしないだけで、こんなにトレース性やレーンチェンジ時の初期コントロールから終了時の収束性迄、影響が大きいものであ る。

ところがどっこい、その後も一向に期待通りのがたの消失はなく、とうとうマニュアルギヤボックスを新品と交換した。なんと\32,000もする のだぞ、マニュアルで。いかにも高すぎるというものではないのだろうか、旧車の備品はどんどん値上がりしているようですね。

しかし、驚いたことに、ギヤボックス自体を交換してもまだ、がたは根本的には残ったままだっ た・・・。
うーんと唸り、結局、ホイールリムにダイヤルゲージを当てて、どこで逃げているの かを観察した所、マニュアルギヤボックスとインターミディエイトシャフトを繋いでいる鍛造 ヨーク(十字スパーダー)自体にがたがあることが判った(写真は、左が旧品、右が新品)。それにしても、このヨークの値段が\5,800です、高過ぎませんかぁ〜?トヨタさん。

結局、86が買えるほどの大枚をはたいて全ステアリング系を新品にして行ったことで、やっとそのがたはほぼ収まったようです。しかし、ハンドル 周方向にまだ±0.5mm程度の小さながたが残っています。これは、ハンドルシャフト系のコラム側にあるもう一つのヨークを新品にすると無くなるのかも知 れませんが、その為にはコラム全体を新品にしなくてはいけなくなり、もはや先立つものが無い・・。さらに、ヨークのその構造上、もはやこの程度は残ってし まうものかもしれません。あまりにそこばかり気にしているので、センサー感度が非常に高くなってしまっているのかもしれませんねぇ。職業病かもしえな い・・。
 

(17)タイヤのエア圧

タイヤのエア圧は、日常管理の最重要項目であり、毎週気にしていることで、リム×タイヤ間のエア漏れ(サー キット走行ではタイヤとホイールが相対的に回転することもあり、ビードのゴムが消しゴムのかすのように成長、ある太さになるや、ついにエア ロスに至るのであった。相対的なずれが発生しているかどうかは、白ペンキでマーキングをしておけばすぐわかります)や、異物の刺さりなどに気がつくことが できるのである。

ところが、そのエア圧をどのようにチェックするかが問題です。GSでのエア圧だけでなく、個 人のエアゲージだけで管理していると、思わぬ落とし穴がある場合があるので、注意しましょう。

(18)スピードメーターが動かなくなる

走行中に、突然スピードメーターの針が踊っていると思ったら、0になってその後動かなくなる。AE86は、古い車なので、スピードメーターはミッションの後方のアウトプットシャフトにあるギヤでメーターケー ブルを回転させて、メーターを動かしています

よって、原因は、メーターケーブルが切れているか、ミッション側のナイロンで出来たドリブンギヤが摩滅してしまっているか、どちらかになりま す。過去、2〜3回経験がありますが、だいたいナイロンのギヤが摩滅して空回りしていることが多いようです。

今回は、ケーブルの先でミッションケースの中に挿し込まれた樹脂のドリブンギヤのシャフトがケースの間で溶着したことが原因で、 シャフトが回らなくなって樹脂のギヤが噛み合った位置で3枚ほど削れてしまっていました。

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4.内装関係

(1)シートリテーナーが破断

「昔の車」のシートレール取り付けウエルドナットがフロアごと抜けちゃう
のはあまりにも有名で、知らない方は、即、フロア裏にもぐって懐中電灯で照らしてみて。
GTシートが左右にやけにぐらぐらしているのはほとんどがこれが原因。
もしフロアに亀裂があるなら迷わず引っこ抜いて、
DIYショップで板厚2.6mm位の大きなワッシャとナットを購入し、
(ナットはシートレール固定ボルトを持参して店でネジピッチが合う事を確認)
ワッシャをフロア下から当てて締結する。水漏れ防止にシーラーを塗る。
これも有名な話ですが、サーキットで距離走ると純正シートの右側の
坐面とシートバックを支持している蝶番の鉄板に疲労亀裂が入り破断する。
これは、特に純正シートに4点ハーネスで身体を締め上げると
もともとAE86は古い車なので片リク
(シートバック角度を決めるラチェットが片方しかない)なので
無理な力が掛かっているからと思われます。
私も先日ついに破壊しましたが、困るのは、シートバック無しでは走れない事。
応急手当ての常套手段としては助手席と入れ替えるのですが、
86はシートレールは左右対称ですが、後足のボデー坐面の高さが非対象。
そこでシートレールの後の外側についている高さ調整用のブッシュを
ペンチ等で無理矢理取って反対につけ替えることで対処します。
お金のある人はバケットを付けているのでこの問題は関係無い話ですが、
通勤車であればどうしても純正シートでリクライニングも必要。
この修理には、部品代だけで約\13,000、工賃込みで\18,000程度かかります。
安物のバケットシートなら充分おつりが来ますね。
それにしても、私、学生時代のぼろぼろシビックでのシートレールの
取り付けボルトが床から抜けて信号発信時後転、
社会人一年生時KP61でシートバックフレーム折損と三度もシート破壊に遭遇。
体重の問題でしょうか?

(2)インパネ、RRシート表皮の割れ

これは、AE86のガラスに大きな要因があります。
古い車なので、調べてみるとFRウインドシールドも工場装着は強化ガラス。
補修用は当時から合わせガラスのみでしたが、強化ガラスでは
樹脂フィルムインサートは無いので紫外線を遮れません。
従って、インパネもRRシシートバックも表皮が割れやすい。
何かの都合でFRシールドが早期に割れて補修で合わせガラスが入っていれば
紫外線は樹脂フィルムは透過しないのでインパネ表皮はそう簡単に割ないようです。
アーマオールとか、最近流行の紫外線カット用品を樹脂表面に塗布するか、
ガラス内面に紫外線カット液を塗布するか、どちらかでしょう。
まあ、私の車にはもう手後れで何もする気もおきませんが。

(3)ヒーターコア

貴方が買った中古の86のヒータが効かないな、と思ったら、
先のE/Gのところで書いたようにサーモスタットをまず調べ、
そこがOKなら、きっとヒータコア(室内側の小さなラジエータ)の目詰まりが原因。
前オーナーがLLCをきちんと交換していなかったのでしょう、きっと。
そこでラジエータ洗浄材など入れてみたりするわけですが、
そういうオーナーに限ってラジエータ本体に水漏れ箇所を抱えているわけで
きっとホルツのラジエータウエルドなんか使ってふさいでいる、
その穴を洗浄材が再び開ける…。でもそれは大した話ではない。
問題は、ある日突然助手席の足溜りにスリッパが浮んでいるとか、
高速走行中に突然車内が水蒸気に満たされて、
ワイパーで拭いても前が見えない時がやってくるという事なのです。
原因は、初期型(だけじゃないかも)のヒータコアから出ているロー付けされたパイプ
(ここにヒータホースが繋がれ、ラジエータやシリンダブロックと連結)
の根元に走行中のE/Gの動きによるストレスが入り、件(くだん、と読む)の
ロー付けがはがれて水というか熱湯漏れを生じる。
コンピュータネットワークでの部品検索を持つ解体屋で探すと
対策したリビルトパーツを\12,000位で売っている。新品だと\25,000位?
さらに交換工賃が馬鹿高いのでインパネ内部に急激に興味を持ち
休日一日、車庫の周りを部品だらけにして交換にいそしむ心の余裕が欲しい所。

(4)ワイパスイッチ

インパネにある86のワイパスイッチは、どうも接触不良気味。
ワイパウォッシャ液噴出が出来なくなるので、「交換」とすぐディラーのサービスが言うのだが、単に中の接点金具の接触不良であることが多い。自分で取り外 して中の金具のまわりをちょっと見てやると復活します(でも、またすぐ駄目になるけど)。

なんせ、そのスイッチ(ウインドシールドワイパスイッチ84650-12040)は、部品代\5900、作業料\2800も計上されるので、絶 対なんとか直して見てください。
結構有名な話らしく、澤王さんからもメール来ました。

> AE86@GTV wrote:
> ・ワイパウォシャー作動せず、さっき駐車場で自分で直した
>(サービスマンは何をみてるんじゃ?)、
> 単にスイッチ金具の接触不良

澤王:
これ私も経験あります。カローラ○×△のメカニックはちゃんと知っていて86の典型的な接触不良個所だそうです。でもそれを知らないサービスマンはスイッ チを取り寄せてしまったのですが私は丁重に断りました。

大磯からの片道60km通勤(今日で)4日目にして愛車86のあまりのうるささと今にも壊れそうなメタル音を響かせるエンジン、過減衰気味の乗 り心地に耐えきれずついにルノーに切り替えました。(ずっと楽だ)

(5)ヘッドランプスイッチ

これも、突然ヘッドランプが点かなくなったり、メータ内のランプが消えたりする。

特に、メータ内照明は走行中に突然消えたりするので困る。その時、拳骨でスイッチをドンドン叩くと、たちどころに復活する。こともある。しない ときは、一呼吸おいて、もう一度叩くとおおむねその場で直る。
ヘッドが点かないときはあわてるが、覚えておいて、スイッチを叩くこと。

そしてその内、どうしてもメータ内もランプも点かなくなる。
そうなると、もはやスイッチ自体の接触を良くするしかない。このスイッチは、中にIC基盤のようなものを持っており、単なる電気接点だけではなさそう。接 点金具に問題があるようでもなく、どちらかというと基盤と配線のはんだが切れているとかの問題のよう。応急処置としては、メーターフードの前面を外し (タッピングスクリュー5本程度で外れる。スイッチは、つまみと回りのカバーを引っこ抜いて、なかの樹脂ナットを緩めるだけ)、スイッチをそのコネクターごとお互いに括り付けることで復活できる(写真はここ)。スイッチのコネクタを外す場合は、中に鉄の玉がコイルスプリングで押し付け られて節度機構を為しているので、野外では分解しない(玉が飛んで行くと探すのは相当困難)方が身の為である。
スイッチ自体(品番84110-12090:\2500程度)は高くはないので心配なら新品 に交換しておいた方が高速道路上での不意の漆黒からは逃れられる。

(6)アクセルペダルが曲がってストッパを空振りする

最近、アクセルが全閉になっていないことが判明。アクセルペダルがリターンスプリングだけでは全部戻らず、スロットル側も全閉していないことが判った。し かし、それがわかったのはもう1年も前のことである。そのまま、いつかアクセルペダル側も確認しなければと思いつつ時間が過ぎ去って行った。
ボデー側ストッパゴムにペダルの軸がこすれ て完全に戻らなかったのだった。

(7)ドアロックのリンクが外れる

私のGTVには、当然リモコンドアガラスなどはなく、助手席のドアロックは、古い車を知っている方なら常識の、ドアのロックをしてから、ドアノブを引きな がら締めると、鍵が掛かるしくみ。よって、運転席も、ドアキーでロックをする習慣が無いと、キーの閉じ込めをしてしまうことがよくあった。キー閉じ込めで JAFのお世話になった人も多いと思います。
そのようなドアロックの作業をしている最中に、少しノブをリリースするタイミングが早いと、ドアのロックがドアキャッチに衝撃的にぶつかり、そのショック でロックリンクやドア開閉レバーのリンクが外れてしまうことがよくあります。

さて、ドアロックのリンクの外れても、ドアの内張りだけ外すことができれば、樹脂リンクケースが折れていない限り、簡単に嵌め直すことができます。
今回はドアの内張りの外し方、特に、ドアノブのピンの簡単な外し方をご存じない方も 多いようなのでここで紹介しておきます。

話が変わりますが、キーの閉じ込めをしてしまったら、昔のKP61などは、ラジオのアンテナ(ねじ込み式だった)を外し、ドアガラスの間に差し込んでリン クを動かすと簡単に開錠できたのですが、最近の車はドアの間からは中々そういうものが通せなくなっており、どちらかと言うと、キーシリンダそのものを開け てしまう方が早い気がします。いずれにしても、ドアロックを外すことは簡単なので、高い車、高いものが中についている車のオーナーの皆さんは盗難には気を つけてくださいね。

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私感AE86三大弱点

1.高熱間時スターターが回らなくなる
2.(PS無し車)高速道路を走りたくないハンドル振動
3.シート剛性低くそのうち背もたれが座面と分離してしまう



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